会社分割による企業再生スキームが、債権者にとって詐害行為にあたるかということは、企業を立て直したいと思っている企業には、気になることであると思います。
その会社分割による再生について、とあるリース会社と広告代理業及び飲食事業会社の間で争われていた裁判の判決が下りました。
状況としては、被告の広告代理会社は、広告宣伝事業と飲食事業を営んでおり、その店舗展開時に受けたリース会社からの店舗改装や厨房機器のリース料の債務を旧会社に残し、飲食事業を新設会社に移して会社分割を行ったということです。その後、リース料等の支払いをリース会社に行っていなく、今後は旧会社を清算し、その切り離した債務を清算して新会社の飲食業で新たに事業展開を図っていくというスキームです。
この会社分割による再生スキームは、良く行われていることですが、今回の判決は、この会社分割は、「詐害行為」に当るとし、この詐害行為は取消されるという判決が出ました。
裁判の内容は、ここで詳細に触れることはしませんが、今回の判決の意味は非常に大きいと思います。
ただ、単純に「会社分割は全て詐害行為」ということではなく、債権者と合意が取れているものは問題ありません。今後は、債権者の同意なくしての会社分割は、詐害行為に当るという判例が出たということです。
群馬県内でも、債権者の同意なしに行った会社分割などの噂はいくつか耳に入っています。そのような分割を行った場合、もしその分割自体に異議を申し立てられなくても、金融機関や取引先という債権者と喧嘩をするということですから、その企業は孤立し、協力金融機関や仕入先そして販売先の協力を得られなくなってしまい新設会社の再生は非常に難しくなると思います。
私達は、今までも債権者と合意を取りながら再生を進めていくスタイルをとっておりますので大きくスタンスを変えることはありませんが、今後、会社分割等で再生を果たして行くためには、まずは、債権者(協力者)と合意をとり、誠意をもって再生に取組んでいくということが欠かせない時代になったことは確かです。
今年の6月22日に施行された産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法が制定され中小企業が第二会社方式による再生計画を作成し、その計画が一定の基準を満たせば、計画の認定を受けることが出来るようになりました。
第二会社方式とは、財務の状態が悪化している中小企業の収益性のある事業を会社分割や事業譲渡により切り出して、他の事業者(第二会社)に継承させる。そして不採算部門は旧会社に残し、特別清算等をすることで事業の再生を図ることです。
そして認定を受けることにより
①第二会社が営業上必要な許認可を旧会社から継承できる。
②第二会社を設立した場合等の登記に係る登録免許税、第二会社に不動産を移転した場合の登録免許税及び不動産取得税が軽減される。
③第二会社が必要とする事業を取得するための資金や設備資金など新規の資金調達が必要な場合、日本政策金融公庫の低利融資等が受けれる。
いずれにしても、中小企業の再生に大きく営業を及ぼす制度です。
過大な債務を不採算部門と切り離し、優良な事業部と適正な債務で再出発できる可能性があります。
情報の時代ですから知らなかったでは済まされません。私どものブログをお読みいただいている方には少なくとも「知らなかった」とならないようにしたいと思いますのでチェックをしてください。
詳しくは
をご覧ください。