前回の話の続きですが、緊急融資等の当面の資金支援で助かっても安心できないと申し上げました。なぜなら、据え置き期間が解けたあとにやってくる元金返済の負担をしていかればならないからです。だからこそ、その間に儲かる仕組みや組織体質を改善しておく必要があるのです。
つまり目の前の資金繰り対策としての借入は、イコール企業の変革も同時に行わなければならないということを意味しています。
社長の仕事はそこからが大事です。まずは方針と必要な数字を明確に決めなければなりません。そしてそうした計画を実行をするのは社員ですね。つまり社員が実行するような組織つくりがなによりも必要となります。
そのためにまずは、社員に現状をオープンにして、危機意識を共有し、参加意識を持ってもらうことが重要なのです。
社員と社長は立場が違います。しかし目的意識や参加意識を持つと人は行動が変わります。もちろんそのためには人事制度(立派なものでなくてもよい)で評価する仕組みも必要となります。単なる表彰制度があるだけでもやる気が変わるものです。
そして何よりも大事なことは、進捗確認と修正の仕組みを作ることです。
具体的には、①実績、②お客様情報(クレームや問題点、ほめられたことなど)、③競合情報、④それらに対して担当はどういう解決策を持っているか、といったことを社内で定期的に発表し、対策を決定する場が必要です。
放任しておくと、せっかく計画を立てたのに、一年後は社長の意図するところと違う結果になっていることにもなりかねません。
社長は現状をオープンにし、方針や目標行動計画を明確にした上で、決定方針に対して定期的に進捗を報告させ、毎月チェックし、軌道を修正することをぜひ取り組んでいただきたいと思います。
帝国データバンクの調べでは、群馬県内企業の5月の倒産件数は4件(前年同月比7件減)で、前月の14件から大幅に減少し、昨年9月以来の一桁台となったようです。
結果だけを見ると最悪期を脱しているように思えますが、倒産件数が減ったのは明らかにセーフティネット融資などの緊急融資により、一時的に資金繰りが改善したからだと思います。
それ自体は悪いことではないのですが、その緊急融資によって出来た時間をどのように使うのか?が非常に重要になってきます。
そもそも、経営不振の根本の原因は、本業が赤字であったり、新規事業ではじめたものが本業の足を引っ張ったりなどであり、そこにメスを入れない以上、また折角の借入をすぐに食いつぶし、2~3ヵ月後にはまた資金が足りなくなるということがおきます。
実際、いくつかのメディアでも7月以降、緊急融資を受けた企業の資金繰りが再度厳しくなり倒産件数が増えるのではと報道しております。
そうならないためにも是非、会社の改善にお取組頂き、限り或る資金を有効活用いただければと思います。
また、企業の再生を実行しなければならない企業は、既に税金や社会保険等の滞納、買掛金の滞納など支払わなければならない未払金が多く存在しております。
そんな中、緊急融資でたまっていたものを計画なしに支払ってしまう例も多くあります。
是非、その融資をどのように使っていくのかを計画した上で(資金繰り計画)、ご利用いただき、折角の融資を企業の再生・再建に活かしていただきたいと強く願います。
金融庁のマニュアル改定より、中小企業の再生に対し、国も支援する方向に動いてきているようです。実際、緊急融資など中小企業の資金不足を解消できる施策も増えてきていますよね。
こういった施策以外にも、今後はいろんな再生支援方法が立案させると思いますし、これらを活用して再建を果たす企業はきっと増えることになるでしょう。ぜひ我々としてもこういった再生支援策を皆様にお知らせしていきたいと思っています。
但し、どんな素晴らしい施策があろうとなかろうと、最終的には経営者の方の覚悟と「自分がなんとかしなければ」という気持ちの強さで再生できるかどうかが決まるのではないかと思っています。
答えに正しい間違いはありません。
自分の頭で考え、ねばりと誠意を持ち、覚悟を決め、行動に移せる人だけが、再生の道を歩めるのではないかと感じています。
企業は窮地に陥った場合、どんな方法があるのか?
窮地に陥るということは資金がまわらなくなるということですが、では資金がまわるように対処していくわけですが、会社の状況により改革方法が違ってきます。
今回は、営業利益は黒字であるが銀行返済等を含めた経常利益だと赤字という企業の場合。
単純に銀行への支払金額を減額することで再建が可能な先・・・リスケジュール
ただし、見直し後の債務返済金額(年額)で返済し続けた場合、完済までに何年かかるかが問題になってきます。
一般的に、金融機関が許容する期間は、メガバンク・地方銀行・第二地銀・信金・信組等その金融機関により違いますが15年から20年であると思われます。最大でも25年で完済できる返済金額がないと更なる抜本的な対策が必要になってきます。
実際、私どものもとへ相談にいらっしゃる会社の年間返済可能額を計算し、その金額で完済期間を算出すると優に50年を超える企業様が多数いらっしゃいます。
そういった場合には、DDS(デット・デット・スワップ)やDES(デット・エクイティ・スワップ)、その他にも特定調停などを活用した方法が考えられます。
ですので本業が黒字だけど銀行への返済があり、資金繰りが厳しい企業様は返済可能額 (当期利益+減価償却費)×50%(運転資金や投資等があるため返済可能額の50%で算出する)を算出し、その金額で短期・長期を合わせた借入総額を割っていただき、リスケジュールを行うことで金融機関が許容する期間内に返済が可能なのか、それ以外の方法が必要なのかをご検討いただければと思います。
自社の長短合わせた借入総額と上記の返済可能額にて計算してみてください。