前回、前々回と中小企業金融円滑化法・いわゆるモラトリアム法案についてブログを書きましたが、今回はそのモラトリアム法案を補完する制度「条件変更対応保証制度」について書きたいと思います。
こちらは中小企業庁の制度で、資金繰りに苦しむ中小企業がモラトリアム法案を活用して借入元金返済を止める・もしくは減額してもらうとか、金利を減免してもらう等の条件変更(リスケジュール)を借入先の金融機関にお願いにいった場合、金融機関からそのお願いを断られた場合に活用できる制度です。
ではなぜ、そもそも金融機関は中小企業からの条件変更のお願いを断ったのでしょうか?
それは、返済を一時猶予して欲しいとお願いする企業は、本業が厳しく資金繰りも厳しい企業が殆どです。よって、猶予していた期間中やその後に倒産等により貸したお金が回収できなくなるリスクが高いということであり、そういった先には少しでも返済を進めておきたいという金融機関の気持ちが働くからです。
ただし、一時の返済を猶予することで会社が回復し、将来の見通しが立つ企業があることも確かであり、そういった先には金融機関も返済猶予等の協力は惜しまないのですが、そう思えない企業には、言葉は悪いですが「いつ倒産してもおかしくない」ので少しでも回収できるうちに回収したいと思うのです。
ただ、中小企業の味方である保証協会の保証付融資であれば、万が一企業は返済できなくなっても金融機関は保証協会から貸付金額の8割~10割は変わりに返してもらえるので(代位弁済といいます)保証協会付融資については比較的返済条件の変更を行ってもリスクは少なく金融機関ものみやすくなります。
今回の「条件変更対応保証制度」とは、金融機関が条件変更を受けるかどうかを検討する上で貸し付けている融資が保証付融資ではなく、プロパー融資である場合に先程のリスクを考え、今のままでは条件変更に応じられない、ただし今のプロパー融資も新たに保証協会が保証をつけてくれるのであれば条件変更に応じても良いとなった場合に活用します。
ここで引っかかってくるのは「条件変更対応保証制度」の利用条件に出てくる「原則として公的金融(日本公庫、商工中金、信用保証協会)を現在利用していない中小企業となっている点です。
日本の中小企業は、金融機関が自らのリスクを軽減するため「保証付融資」を好んで利用させようとします。金融機関サイドからすればリスクをとらずに利益(利息)をもらえるため、当然保証付融資を活用してリスクの高い中小企業には貸付たいのです。
こういう実態を捉えると日本の中小企業で尚且つ資金繰りに苦しんでいる企業は、ほぼ例外なく信用保証協会を利用しているということになり、この度の「条件変更対応保証制度」は利用対象外となってしまいます。
それでは、意味がないと思いながら「原則として」が気になったので直接、中小企業庁の金融課に電話で問い合わせてみました。
結論としては、信用保証協会等公的金融を利用していても借入高に締める公的金融利用額の割合が少なければこの制度を活用できるとのことでした。ただし、その割合は明確な基準がなく、その都度案件ごとに貸し付けている銀行と保証協会で話し合いで決めるというような答えが返ってきました。
なんとも制度を利用する側からすれば、曖昧であり不安が残る感じでしたが公的金融を利用していてもこの制度が利用できる可能性がありますのでご興味がある方はお問合せしてみてください。
ただし、この制度を利用しても保証協会が保証してくれる割合は、借入金額の4割であり、金融機関の負担は6割ですので今までの保証率より大分少ないため、この制度を活用しても金融機関はいい顔をしない可能性もありますが・・・
やはり、本当は金融機関が「この会社が再生する可能性が高い」と感じていただける計画書を作成していくことが中小企業にとっては一番であると思います。
当社ではそのような「経営改善計画」の作成に関わる無料相談も1月20日まで開催していますのでお気軽にご相談頂き、来年を是非とも良い年にして頂きたいと願っています。